- 2015年3月5日 東京、日本
でも、そんな夢の実現を待ちきれないあなたには、日本を訪問することをお勧めします。
その理由は、日本で行われている事が、まるで別の惑星での出来事かと思ってしまうからです。
日本は「皮肉」に満ちており「善悪/白黒」で分割統治された土地柄でもあるのです。最も倒錯した文化をもちながら、それは世界で最も保守的な文化の一つでもあるのです。
ここでのビジネス文化は完全に宇宙人エイリアンのモノと思わされる程、まったく別のものです。創造性と革新性は、工程と手順によって制約を受けます。個人が祝福されることはあまりなく、滅私奉公が企業コンプライアンスのすべてなのです。
日本の企業文化おいて、ビジネスの会議では厳格な議題に従わざるを得ません。いきなり新しいアイデアを発言し、それがどんなに貴重な考えでも、単純には受け入れられないのです。
実際に「根回し(Nemawashi)」と呼ばれる言葉があり、それは会議前の打ち合わせのことです。あなたが会議に出席するため、あるアイデアを持っている場合、誰もが「不意を突かれた」と思わないように、または準備された返事を持っていないことで当惑しないように、最初にそれを議論する必要があるというのです。
これは完全にほとんどの西洋人に失われた文化的な微妙な感情です。それは「誰も悪い感情を持たないよう、前もって確認する義務がある」という考えに由来しています。
この発想は特に際立って、日本の経済や金融情勢に引き継がれています。GDPの(借金に占める)割合として、ここに政府が地球上の誰よりも借金を積み重ねてきた理由があるのです。
約1000兆円の債務レベルは、それは今年の利息ぶんだけの支払いのために、政府税収の43%を占めるほど高いのです。債務返済の税収に対する割合はどんどん増えており、もうこれ以上は持続不可能だと言われています。でも日本の大企業は律儀に、政府から悪者に思われないよう、義務のように、日本の国債を買い増し続けています。
これは、金融的根回しと言うもので、自分の取引相手に恥をかかせないような配慮ともいえます。
しかし、これも変わり始めています。積極的にインフレを起こすことによって、日本国債をもっている誰もがお金を失うことを、逆に政府が保証してしまってるのです。
これはもはや国債が投資や商品価値をもたず、単なる慈善事業のための寄付みたいなものになってしまっています。せいぜい、いい意味で言って、国に対する税みたいなものにすぎないのです。
歴史を通じて見ていくと、政府と言うものは、多くの場合、これぐらいなら、まだ市民は受け入れてくれるだろう、と限度を超えてやりすぎるものです。
日本人は多大な苦しみに耐えてきた、美しい、禁欲的な文化を持っています。 とは言え、誰も限界点を持っています。
その時とは日本人が国への愛と政府への愛に大きな隔たりがあることに気づいた時です。
ボトムライン:ぎりぎりの最低値 (※「決算書の最後の行に書かれた最終損益」とひっかけている-訳者注) - それがすでに見え始めているのです。
先週もそうでしたが、今もシンガポールに来ているのですが、そのたびに、私の銀行の連絡先に対し、日本のお客様への報告が指数関数的に増えています。企業、起業家、投資家はすべて日本からシンガポールにお金を移動しているのです。
逆にお金が日本から出ていくに従って、日本の銀行は積極的に拡大しているのです。
資本逃避の漏れの滴りが洪水に変わる時、資本の規制が効かなくなる時で、まさにそれが起きつつあるのです。
実は同じようなことが世界のあちこちで起きつつあり、世界が現在、注目しているのはギリシャ、南ヨーロッパの国々です。
しかしながら、日本は世界第3位の経済大国がありながら、最もひどい債務状態なので、日本こそが最も注目すべき国なのです。
世界の金融システムの火薬庫が爆発するとしたら、まずその発火点となる可能性が最も高いのが日本です。
(※なお、この記事で注意すべき事は、実際はアメリカがその可能性が一番高いのに、わざと日本の問題にすり替えようとする意図があるかも。次の金融パニックを日本の責任に転嫁する可能性も大いにある。 -訳者注)